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「食生活の異常」サインに隠れるこころの疾患

過食症・拒食症はいわば心の乱れによる食行動の障害です

<過食症とは>

衝動的にキャパシティを超えている分の食べ物を摂取してしまう症状です。空腹でつい食べ過ぎてしまうのとは違い、おなかが空いていないのにもかかわらず食べ過ぎてしまいます。過食後は嘔吐や下痢を繰り返したり、体重が乱高下したりします。体重は正常値の下限あたりにとどまっている人が多いようです。

本人は自分の食習慣の異常に気が付いていることが多く、やめたいとも思っているのですが、自分の意識だけではやめられないことが大半です。
治療に当たっては栄養指導や精神療法、家族療法を行います。家族療法とは患者本人のみならず、個人を取り巻く家族関係を対象に行う治療です。家族というシステムの中でなぜその個人が過食症になってしまったのか、どうすれば本人の負担が軽減されるのかを考えていきます。
<拒食症とは>

過食症と真反対の症状、つまりは極端に食べる量が少ない症状のことを言います。

拒食症はたいてい過度なダイエットが原因で発症します。痩せることに異常なまでに執着し、食べることを否定します。やがて病的に食事がとれないようになり、痩せていきますが、本人はその痩せ細った体を見てなお「自分は太っている、醜い」と思いこみます。ただし、カロリーが低いとされているもの、海藻やキノコなどは食べられる場合もあります。

症状自体は過食症と真逆ですが、過食症から拒食症に、拒食症から過食症になる人は少なくありません。そういった意味ではこの二つの病気は表裏一体であるといってもいいでしょう。
拒食症の治療は過食症の場合と同様に栄養指導や精神療法、家族療法を行います。痩せすぎて命の危険がある場合は経管栄養や点滴で体重を元に戻すこともありますが、この場合も強制的にではなく本人の了解を得るようにしないと効果がありません。
家族が無理やり食べさせるのは逆効果です。あくまでも本人の意識を変えることが大切です。