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「リラックスできない」サインに隠れるこころの疾患

自律神経の乱れが原因で起きる諸症状の総称「自律神経失調症」

人間の神経には中枢神経系と末梢神経系があります。末梢神経系はさらに体性神経と自律神経に分類することが出来ます。体性神経は簡単にいえば、自分でコントロールすることが出来る神経です。それに対して自律神経とは、自らの意識とは無関係に働いている神経のことを言います。

自律神経はさらに交感神経と副交感神経に別れます。交感神経は闘いの神経とも呼ばれ、この神経が強まると体は緊張し、血圧は上がり、筋肉が固くなり、多少の痛みには鈍感になります。

交感神経と副交感神経

副交感神経は休息の神経とも呼ばれ、この神経が強まると体はリラックスし、血圧は下がり、筋肉は緩み、負傷した部分が回復します。

このように交感神経と副交感神経は対になる働きをしています。交感神経が強まれば副交感神経は弱まり、交感神経が弱まれば副交感神経は強まります。二つの神経のバランスが保たれている状態が正常な状態です。

しかし、自律神経はふとした拍子に乱れることがあります。自律神経が乱れた状態を自律神経失調症といいます。刺激が多い現代では特に交感神経が強く働きすぎ、副交感神経が十分に働かず、体がリラックスできない状態の方が多いです。

自律神経失調症の症状は非常に多岐にわたります。頭痛、疲労感、不眠、めまい、立ちくらみ、息切れ、あくび、吐き気、嘔吐、便秘、下痢など、人によって症状は様々です。これらの症状は午前中は強く、夜になると軽快する傾向があります。
自律神経失調症の主な原因は身体的・肉体的なストレスなので、それを取り除く必要があります。夜型の生活習慣は朝方に治し、ストレスが多い生活をしている場合は、働き方を工夫して過度なストレスがかからないようにします。

症状に応じて抗うつ薬や抗不安薬、漢方などの薬物療法を用いることもあるほか、マッサージなどの理学療法を取り入れることもあります。症状が非常に多岐にわたるため、一概にどの治療がよく効くとは言えません。個々人の症状に応じて、その人に最適な治療方法をその都度医師が決めていきます。